准看護師

男性の准看護師、仕事が続かないと思ったら…



准看護師で男性の方というとかなり限定されたイメージがあります。看護師、准看護師自体「女性の世界」という印象のとおり、まだまだ女性が圧倒的に多い職業、職場であります。

しかし、年々男性の准看護師が活躍できるフィールドが拡大しているようです。

ここでは、特に男性で准看護師資格をお持ちの方に、その活躍の場がいかに広がるつつあるのかを紹介し、転職先の検討に入れていただきたいという趣旨で書かせていただきます。


男性准看護師の現状について

そもそも「看護師」と「准看護師」の違いをまず理解しましょう。

簡単いいますと

・看護師:国家資格、医師の指示のもとで医療行為に従事

・准看護師:知事資格、医師と看護師の指示ものとに補助的な業務に従事


准看護師も准看護師課程を看護学校や短大などで学ぶ必要がありますが、カリキュラム自体は看護師のものと比較し少なく、取得しやすいものとなっています。

男性准看護師は全国で約1万5千人ほどで、これは女性の正看護師が48万人いるのと比較すると非常に少なくなっています。

参考までに、男女別、正看護師准看護師別に示すと以下のようになります。


正看護師の人数

男性 4万人
女性 48万人
准看護師の人数

男性 1.5万人
女性 18万人

いかに「男性の准看護師」が少ないかということがお分かりいただけたかと思います。男性の看護師率は約8%と1割に満たない状態です。

このように少ない理由なのですが、大きく分けますと

①男性が准看護師課程を学べる場所が少ない(女性だけの看護学校や女子短大が多い)
②ニーズがそもそも少なかった
③看護師は女性の世界というイメージで、男性が敬遠していた

の3点になります。男女雇用機会均等法の施行後も、性別要件がなくなったにもかかわらず、「男性の職場」になかなか女性が入っていけないことの逆になります。

とはいうものの、男性が准看護師の世界に入れない状態であるということはなく、30代の准看護師は10%以上が男性です。


男性准看護師の職場



まだまだ看護師の世界は女性社会でありますが、「男性」であることを求められる職場も存在します。ここでは男性であることが武器になります。例えば以下です。


1.精神科

少し意外に思われるかもしれませんが、これは精神科での診察、あるいは受付時のリスク管理の一環です。こういう言い方はよくないのかもしれませんが、精神科の患者さんの中には突発的に激情してしまったり、暴れてしまう人もいます(これは病気なので仕方がないのですが)。

この時には、患者さんを制止したりするためには、女性ではなく男性の看護師のほうが頼もしいというわけです。

街のメンタルクリニックなどはそうでもないかもしれませんが、措置入院施設のあるような病院だと、ある意味力で抑えつける必要がある場面も出てきます。そうした場所では、男性准看護師が活躍できるというわけです。


2.ICU、救急設備周辺

緊急の患者さんが運ばれるICUや、さまざまな機器を使用して手術を行うような場所では、ある意味「力仕事」が生じます。患者さんを素早く運んだり、重い機械を運んだり、そのような場では、男性の力は頼もしいものになっています。

また、体を動かせない患者さんの床ずれ防止のための体位変換など、「ヘルパー」的な仕事についてもやはり男性の力を借りる場面が多くなります。お年寄りが多い病棟や、老人ホーム併設の病院などでは、男性准看護師の求人が多い傾向にあります。


3.形成外科、性病科

性器、泌尿器周りは異性には見られたくないものですよね。男性向けに包茎治療などを行っているクリニックでは、スタッフ全員が男性です!というのを売りにしているところもあります。患者さんが安心して治療を受けるためには、同性の(准)看護師であることが必要なんですね。

また、性感染症などを専門医しているいわゆる「性病科」は、窓口が男女別に設けられているところもあり、そこでは男性向けの窓口や診察室では、男性スタッフオンリーです。

性病科自体数は少ないですが、ここには確実に男性准看護師の需要があるといってよいかと思います。


4.夜勤病棟

小さなお子さんがいる女性看護師の方などは、夜勤を行うことが難しいですし、できれば避けたいという人も多いと思います。そうした場合、女性の夜勤希望者が少ないために男性が採用されやすいというところもあります。

場所によっては夜勤専門で、非常勤に近い形ですが看護師を募集していることもあるようです。それだけではなかなか生活できない…、というイメージもありますが、夜勤は時給単価も高いので、上手に勤務できればそれだけで生活していくことも可能です。

特に男性のニーズが高い職場として以上を挙げましたが、そのほかの診療科目(内科、外科など)であっても、男性ニーズがあるというか、男性だからといって敬遠される傾向は少なくなりつつあります。あとは、みなさんがそうした女性が多い職場が大丈夫かどうか判断していただくことになります。

小さなクリニックよりも大病院のほうが、男性でも採用されやすいようです。

なお、産婦人科のように、形成外科の逆で男性に見られたくないという女性の希望が強いところでは、さすがに採用されるのは簡単ではありませんので、そこはご理解ください。

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男性准看護師の悩み



女性の世界である中で活躍している男性准看護師ですが、やはり悩みも多く独特なものもあります。もともと、看護師という職業自体非常に精神的、肉体的ストレスの多い職業だといわれています。

そこに「男性である」という要素が加わり、余計混乱してしまうことになります。ここでは、1問1答方式で、男性准看護師の悩みについて見ていきましょう。


悩み:女性が多く溶けこめません

女性の世界に入っていくのはなかなか難しいものです。女性側が、男性准看護師を「同僚」として評価しないケースもあるようです。

これは偏見なのですが、「男で看護師になるなんて・・・」みたいな古い頭の女性看護師がいることも事実です。さらに「准」看護師ですので、「看護師にもなれなかった」と上から目線で見下してしまう人もいるのが事実です。


悩み:男性であることが気まずいです

奥様、あるいは彼女がいらっしゃる場合、自分が女性がほとんどの職場にいることで、要らない気遣いをさせてしまうことがあります。

仕事上の付き合いであっても、メールなどが来たり、一緒に飲みに行ったりしてしまうと、浮気しているのではないか?と疑われてしまいます。これは仕事なのだと丁寧に説明し続けるしかありません。


悩み:給料が安いです

同じ病院に勤務していても、給与については、医師>看護師>准看護師

というヒエラルキーは厳然と存在しています。平均しても働き盛りの男性准看護師の年収は450万円に達しません。男女差はそれほどありませんが、正看護師と比べると100万円くらい安くなっています。ある程度の給与に達するとそれ以上は頭打ちという場合が多いようです。

看護師の場合は「看護師長」などの役職がありますが、そもそも看護師をサポートするための資格である准看護師の場合、そのような地位に就くことも難しく「資格手当」のようなものも期待できません。


悩み:ずっと力仕事ばかりの診療科に配属されています。疲れました。

大病院などの場合であっても、男性看護師、准看護師は限られているために、上記のように男性であること=力仕事が期待されている部署から異動させづらいのも現実です。

それが変わるためには、もっと多くの男性が働くようにならないといけません。病院は人に命に関わる場所ですから、「男女平等」であっても女性にきつい仕事はなかなかさせづらいというジレンマもあります。

このような悩みは一朝一夕には改善されそうもないですね。すでに構築された「女性の世界」を変えていくのはすぐにはできませんし、「男性である」ことが必要な場面を女性に変わってもらうこともできません。

ではどうすることもできず、現状に甘んじて我慢するしかないのでしょうか?それが嫌な場合、准看護師の仕事自体を辞めてしまわなければならないのでしょうか?

答えはNOです。実は、准看護師向けにそのニーズに応えられる、仕事を紹介できる転職サイトというものがあります。これは、通常勤務していてはなかなか気づかないもので、一度立ち止まって、サイトを覗いていただくことをお勧めします。

<関連記事>:准看護師の派遣、勤務先選びの注意点


男性准看護師が活躍できる職場



准看護師向け転職サイトは、准看護師として働きたい人と、職場とのマッチングサイトです。細かな条件や、待遇などが明示されていて、ご自身の希望に合った職場を効率的に探すことができます。

男性准看護師の方にとっても、このようなサイトを利用して、不満が解消できる転職先を探すことは非常に有効です。

女性が多くて悩んでいる方については、「男性多数、男性のみ」という職場を見つけて応募すればいいですし、給与や待遇に不満のある方は、それが満たされる職場が近くにないかどうかをここで探すことができます。

転職サイトのよいところは、仕事を辞めて転職活動する必要もありませんし、いちいち1枚ずつ履歴書を書いたりする必要もないところです。ウェブ上に履歴書や職務経歴書を登録してしまえば、それを微修正しながら使い続けることができます。

そのためのネットなのですから、大いに活用してください。希望の転職先に応募して、採用が決まれば今の職場を辞めればよくて、見つからなければ辞めずに働き続けて、また条件に見合った職場が見つかるのを待ちます。

看護師のニーズ自体は高齢化社会もあって増えていますが、「准看護師」はその養成課程が縮小しているので、需要は横ばいかむしろ減少気味です。そうした中で、さらに「男性」という要素がありますので、それを弱点ではなく長所として、攻めの姿勢で売り出していく必要があります。

転職サイトはそのための有効なツールになります。これを使いこなすことで、「男性」であることを大きな武器に変えることもできます。ニーズはあるところにはあります!

あきらめないで、よりよい働き方を目指して、准看護師向けの転職サイトを活用してみてください。応援しています!

まとめ

  • 男性の准看護師は圧倒的に少ない
  • その理由は准看護師養成課程がそれほど恵まれていないことが大きい
  • 男性准看護師の職場は精神科や力仕事が必要なところに偏りがち
  • 「女性の職場」であるがゆえ男性准看護師の立場が弱くなるケースもある
  • 求人が少なくなりがちな転職については「転職サイト」を利用すると効果的
  • 転職サイトなら「男性」ということも武器に変えることができる

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