准看護師

准看護師とは?



准看護師という資格名を知っている人も多いかと思いますが、そうではない「看護師」との違いがよくわからないということもあるかと思います。そもそもこの資格は看護師の中でどのような位置づけなのか、資格としてお勧めできるものなのか、ここで考えてみたいと思います。


准看護師とは

まず、「准看護師」看護師という資格について考えていきたいと思います。


法律上の位置づけ

准看護師という資格は「保健師助産師看護師法」という法律によって規定されています。この法律では、准看護師のほか「看護師」(いわゆる正看護師)の業務についても規定されています。

両者の関係がよくわからないという人もいるかと思いますので、ここで法的な定義を整理します。

簡単にいいますと、

■看護師:厚生労働大臣の免許を受けて、 医師の指示の下、世話又は診療の補助を行う
■准看護師:都道府県知事の免許を受けて、 医師、歯科医師又は看護師の指示を受け、看護行為を行う

となっています。ポイントは2点。

1.資格の付与者

看護師が厚生労働大臣であるのに対しては、准看護師は都道府県知事です。つまり、看護師は国家資格ですが、准看護師はそうではないということです。

2.業務内容

法律上は

■看護師:医師の指示を受けて看護行為を行う一方で、ある程度自分の判断で看護を行うこともできる
■准看護師:医師と看護師の指示に下でその医療、看護行為の補助を行う

ということになっています。つまり、准看護師は医師と看護師のサポート業務を行うだけの資格だと定義されています。あくまで補助的な位置づけです。


准看護師ができた経緯



もともと看護業務は看護師のみが行うものとされていました。しかし、戦後看護師不足の中で何とかして看護師を増やしたいというニーズが高まり、一方で女性の進学率はまだまだ低かったため、少ない学習年数で看護に仕事ができる「妥協案」として准看護師制度ができました。

その中では、医師と看護師の業界の対立などもあったようですが、現在まで2つの資格が共存しています。


准看護師になるには

このような経緯でできた准看護師制度ですので、看護師よりもカリキュラムは簡略化されていてなりやすいものになっています。

・高校卒業後、看護学校等で2年間学ぶ
・看護科のある高校で学ぶ(高校なので3年です)

のいずれかの条件を満たすと、都道府県実施の准看護師試験の受験資格が得られます。必ずしも卒業した学校のあるところの試験を受ける必要はありません。北海道の学校を卒業して、東京の准看護師試験を受けてもOKということです。


1度どこかの都道府県の准看護師試験に合格してしまえば、ほかの都道府県でもその資格は有効です。 ちなみに、看護師の場合は3~4年間、専門学校、短大、大学で学ぶことが必要になります。カリキュラムの量は「准看護師:看護師=2:3」と憶えておくといいでしょう。

准看護師の場合、専門学校でも毎日通う必要はなく、週3日程度でもカリキュラムを満たすことができます。ほかのアルバイトをしながらでも可能です。


准看護師の数

准看護師の数は看護師よりも少なくなっています。 現在就業している准看護師は約40万人。一方で看護師は100万人。資格だけ持っているペーパー准看護師はもっと存在しています。

男性の割合は10%弱。ただし、年々男性の准看護師の取得者は増える傾向にあります。


准看護師の仕事内容



法律的には、看護師の下で補助的な業務を行うことになっている准看護師ですが、実際のところは運用上看護師とほとんど違いはありません。


准看護師の業務の実際

医師や看護師の指示の下でのサポート業務だけというわけには実際の医療現場では済まないことがあり、主体的に看護行為を行ったり、看護師と同じような指示系統で仕事を行ったりすることもままあります。

このことは法的に正しいのかどうかということとは別に、実際の医療現場では准看護師も貴重な戦力として必要とされていることの表れでもあります。


具体的に准看護師の業務を書き並べますと

・注射や点滴
・病院での受け付けや案内
・入院患者の介護
・その他看護業務、雑務全般


になりますが、やはり看護師とほとんど違いはありません。医療現場では看護師、准看護師を区別して仕事をお願いする余裕もないのが現状です。本音と建前は違うということがお分かりいただけると思います。

ただし、大きな病院などの場合、看護師の中で「○○部長」や「△△主任」といった役職がある場合があります。そのケースでは役職に就く人は正看護師のほうが多くなっています。入り口が違うので仕方がないといえばそれまでですが、昇進などキャリア形成の面では不利になる傾向があります。


看護助手との違い



なお、よく間違われるのが「看護助手」との違いです。准看護師も看護助手も看護をサポートするというイメージがありますが、業務は全く違います。

看護助手は一言でいうと資格ではありません。医療、看護の現場で直接的ではない雑用、サポート業務を行う人だと思ってください。ベッドにシーツをセットしたり、医療道具を運んだりすることはできますが、医療、看護行為は一切行うことはできません。


当然ですが注射や点滴などを患者さんに行うことはNGですし、違法行為になりますので注意してください。スキルや知識がいらない仕事だと思ってください(もちろんあるに越したことはないのですが)。

看護助手は看護師、准看護師の勉強中の学生さんがアルバイトなどで行うこともあります。逆に普通のパート感覚だと難しいと思います。やはり、医療現場は高い専門性と即応スキルが求められることには変わりありません。

准看護師が看護助手的な仕事を行うことはありますが、その逆はないと認識してください。


准看護師の給料について



実際の業務が看護師と変わらないとはいっても、その収入について、准看護師は差をつけられている傾向にあります。その勤務先にもよりますが、<看護師の平均年収>約470万円に対して、准看護師の平均年収:約360万円といわれています。

約100万円の違いがあります。これは、上で述べたように看護師のほうが役職に就きやすく、その手当が加算されやすいということに加えて、診療報酬が看護師を雇っていると「看護加算」という制度で多く請求できるということがあるようです。多く稼いだ分を看護師に還元しているとみることもできます。


准看護師の場合はこの「看護加算」がないので、同じ能力の人ならば病院側は看護師を雇いたいということもあるかもしれません。

同一の労働をしているのであれば、同一の賃金が払われるべきですが、看護師と准看護師では資格が違うので、組織の給与体系上も差が付きやすくなってしまっているのが現実です。

・資格を取りやすい
・収入に差が付きやすい

この両者をどう天秤にかけるのかを判断していただくことになります。


まとめ

  • 准看護師と看護師は別の資格であり、法的には業務は異なる
  • しかし、業務の実際は准看護師も看護師も同じようなことをしている
  • 准看護師になるためのカリキュラムは看護師に比べて少ない
  • 准看護師と看護助手は違い、看護助手は看護行為はできない
  • 准看護師の収入は看護師と比べて低くなりがち

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