准看護師

准看護師と正看護師の違いって何?



一言に「看護師」といっても、実は2種類の異なる資格を持った人の集まりのです。「看護師」(正看護師)と「准看護師」の2種類の資格があります。実際に接する患者さんの目にはその違いはよくわかりませんが、その資格がどこから与えられるかから始まって、異なることがたくさんあります。ここでは、そうした違いについて考えていきたいと思います。


正看護師と准看護師の資格内容の違い

正看護師(看護師)と准看護師の違いについてまとめていきます。基本、違いを箇条書きにして必要に応じてコメントを加えます。


資格の与えられ方

正看護師:国家資格、厚生労働大臣の名前で与えられる
准看護師:都道府県の資格 都道府県知事の名前で与えられる

ただし、日本全国どこでも通用する資格なので、東京都で取得した場合でも北海道の病院で働くことも可能です。資格は双方、一度取得すればずっと有効で、更新などもありません。よほどのこと(刑事罰を受けるなど)がなければそのまま保持できます。


学校

正看護師:大学、短大、看護専門学校、高校の看護科→専攻科(5年)
准看護師:短大、准看護師学校、高校の看護科

基本的に、正看護師は3年~4年、准看護師は2年と憶えておくといいです。


カリキュラムの時間

正看護師:3000時間
准看護師:1900時間

准看護師は正看護師の3分の2のカリキュラムで受験資格を得られますので、働きながらの学習も可能です。


試験

正看護師:毎年2月下旬の日曜日 全国11都道府県の会場(同時一斉に実施)
准看護師:毎年2月中旬から下旬 各都道府県ごとの実施だが、最近は8つのエリアに分かれて同時に実施

正看護師試験の合格率は90%前後、准看護師試験はさらに高く95%を超えることもあります。まぁ、普通に勉強していればまず落ちない試験だと考えてください。


業務内容

正看護師:医師の指導の下、医療、看護行為を行う、主体的な判断で患者の看護を行うことも可能 准看護師:医師と(正)看護師に指導の下で業務を行う

「保健師助産師看護師法」によって両方の資格は定められていて、看護師、医師以外の人が看護行為を行うことはできません。

正看護師は主体的な行動も可能ですが、准看護師はあくまで医師や正看護師の指示のあることしかできません。正看護師に指示をすることもできないことになっています。 あくまで、看護行為のメインは正看護師で、准看護師はサブという位置づけになっています。


建前と現実

このように、正看護師と准看護師ではそのなり方や業務の内容も異なっています。しかし、医療現場では区別することが難しく、実際のところは正看護師も准看護師も分け隔てなく同じような看護業務を行っています。

容体が急変した患者さんがいれば、准看護師であってもその場の応急措置をしなければ命に関わってしまいます。そうした臨機応変の仕事については、いわば黙認されているのが現実ですが、医療現場ということを考えると仕方がないことです。


正看護師と准看護師の待遇



正看護師と准看護師では、業務内容に法的には区別があるわけですが、実際のところはあまりやっていることに違いはありません。しかし、収入や待遇の面では、どうしても 正看護師>准看護師であることは否めません。


収入面

正看護師と准看護師では収入に差があります。以下はある統計の結果なのですが、年収ベースで約100万円の差があります。

正看護師 准看護師
20代 423万 323万
30代 473万 359万
40代 516万 415万
50代 522万 448万
平均 469万 360万

正看護師を雇った場合、病院の診療報酬に「看護加算」といって多くの儲けが出ます。それが正看護師にフィードバックされていることもあるようです。准看護師の場合は「看護加算」はありません。


待遇面

収入以外の病院内での待遇にも差があります。やかり正看護師のほうが地位が高い場合が多いです。

「看護部長」や「○○主任」といった役職は、正看護師、准看護師双方いる場合は、ほとんどの場合正看護師の人が独占しています。また、同じ能力の人がいれば、やはり正看護師のほうが上の役職に就くことがほとんどです。

准看護師の人が正看護師を含めて上に立って束ねるというのは、よほど能力や人望がある場合に限られているのが現実です。


安定度

病院はよほどのことがない限り、つぶれることは稀ですが、最近は地方病院の統廃合などもあり100%保証されている職場でもなくなってきました。もし、統廃合されて人員整理になった場合は、やはり正看護師のほうが身分的には守られる場合が多いようです。

待遇面で考えても正看護師のほうがさまざまな面で准看護師よりも有利だということがわかります。それだけ内容のあるカリキュラムを受けているから当然だといえば当然ですが、カリキュラム上の差は約1000時間です。1日8時間働いたとしたら、125日。4か月くらいで取り返せる時間でもあります。

そこまで差があってもいいものなのかと思うかもしれませんが、制度的にも資格的にも違うものなので、納得するしかないのかもしれません。

ただし、准看護師として10年以上働いている人は、通信講座で勉強すれば正看護師の試験の受験資格を得ることができるようになりました。合格率が高いことは書いた通りなので、医療実務に触れている人なら容易なものだと思います。


正看護師と准看護師の需要



結局は同じような業務をしている正看護師と准看護師ですが、その求人=需要については若干異なります。

・大病院、総合病院:正看護師を多く採用
・クリニック:准看護師を多く採用

と傾向に違いがあります。


現状の需要の違い

大病院が正看護師を多く採用するのは、やはり高度な医療技術に触れることや、複雑なやり取りなどをする必要があるため、「潜在力」として勉強を多くしている正看護師を採用することにあります。

実際に業務をしてみるとそれほどの違いはないでしょうし、実際に優秀な准看護師の方も多くいらっしゃるのは確かですが、採用に段階ではわかりませんので(引き抜きなどがあれば別ですが)、同じレベルだと判断すればより多く学んでいる正看護師を採用するということです。診療報酬の「看護加算」の部分もあるかもしれません。

一方で、街のクリニックなどは准看護師を歓迎します。看護師の報酬に基準はありませんが、准看護師のほうが安価で済むというイメージ(あくまでイメージに過ぎないのですが)があるので、収入面でそれほどれもないクリニックなどは准看護師を優遇する傾向にあります。

失礼な話だと思われる准看護師の方もいるかもしれませんが、そのイメージを逆手にとって、パートタイムジョブ的な働き方を希望する場合は有利になります。クリニックでは急患や夜勤などはまずないので、時間を有効に使いたい方や、子育てをしながら働きたい方などは、そのほうがいいわけです。

正看護師の人がクリニックに採用されないというわけではありませんが、准看護師の人でも同じレベルで活躍できるフィールドだとイメージしてください。


新しい需要への適応

高齢化社会にともなって、病院(医療現場)以外での看護師の需要も生まれてきています。具体的には、老人ホームなどの介護施設や製薬会社、地方自治体などです。看護師資格を有する人は、そこで専門知識を活かした仕事に従事することができ、その求人も増えています。

看護学校でのカリキュラム内容や試験内容からいって、「准看護師⊆正看護師」(正看護師であれば准看護師の内容はカバーできている)であるのですが、医療現場以外では、「医療以外の業務もやってもらう場合、准看護師のほうがよさそう」というイメージを持つ人もいるようです。少なくとも、准看護師だからマイナス評価をされることはありません(医療行為をするわけではないので)。

ですので、准看護師の方でも積極的に新しいフィールドに打って出ることは可能です。正看護師と比べて不利益を受けていると考えている人は、そういう差別のない医療現場以外の職場を探してみるのも1つの手です。

准看護師の方は、少ないカリキュラムであっても、正看護師の人と同じ業務を行える要領のよい人ですので、きっと新しいフィールドでも活躍できるのではないでしょうか。もちろん、正看護師の人も病院以外の職場で活躍していただくことは大いに結構です。

まとめ

  • 資格そのものや学習課程は明確に区別されている「別のもの」である
  • 業務上の定めも違いがあるが、現実の実務ではあまり差はない
  • 収入や待遇の差は歴然としている
  • 大病院に准看護師が就職するのは大変だが、クリニック規模なら正看護師と互角
  • 介護や製薬会社など医療現場以外の就職、転職では正看護師、准看護師の優劣はほぼない

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